日本企業の海外社員の状況
80年代、Gung Hoという映画があったのを覚えている。日本の企業がアメリカで自動車工場を運営しているというストーリーである。それは馬鹿げたコメディー映画でだったが、日本企業はグローバルビジネスに何か問題があるのではないかと読み取れる。
以前、日本企業の海外子会社の「no culture」や「twilight zone culture」の状況を示した: こちら
また、海外子会社とのtrustの条件も示した: こちら
今回、日本企業の海外子会社からのコミュニケーションの状況を示す。
日本企業の海外子会社からのコミュニケーションは何か不気味である。反応、不平が極端に少ない。本音のコミュニケーションやフィードバックが少ないである。
これについて、3つの大きな理由が考えられる。1)開いた口がふさがらないので答えない、2)大変な努力がいる、3)ファンディング。
1)開いた口がふさがらないので答えない:
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日本からのメッセージや指導を聞いて、日本企業の海外子会社の社員が開いた口がふさがらない状態になるケースが多い。
本当にショックで意味が分からない状況である。
多くの場合、彼らは何も言わない。馬鹿なことがあっても、誰も何もあまり言わない。
曖昧さの中、どう答えていいか分からないので、海外子会社の社員は日本人のように親切に応答する。
2)大変な努力がいる:
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実際、日本からの指導やメッセージに対して、海外の社員が対応しようとすれば、大変な努力が必要である。
通常、日本側の話と海外子会社の状況は大きなずれがある。
海外の社員はそのずれに対応しなければならない。
しかし、彼らが説明及び対応できるように、日本側のシステム、考え方、やり方等の変更が必要かもしれない。
それは大変なことだ。
まず、日本側と海外子会社の間のずれを理解するため、何ヶ月、あるいは、何年もかかるかもしれない。
そして、日本側のシステム、考え方、やり方等の変更が必要な場合、何ヶ月、あるいは、何年もかかるかもしれないので、
海外の社員はすぐにギブアップをする(在日外国人のケースもある)。
大変な骨折りが必要なので、結論的に彼らはシステム的な問題にタッチしたくない。
結局、海外の社員は目の前の仕事、目の前ビジネスを中心にする。
馬鹿げたことがあっても、誰も何も言わないケースも多い。
説明と対応が大変であり、人的な面が敏感であるので。
例えば、通常、アメリカ人は世界の一うるさいやつですね。
しかし、日本企業のアメリカ側は驚くほど静かである。
(オサーマ・ビン・ラーデンより、日本企業の官僚制が怖いのだろうか)
3)ファンディング(funding):
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やはり、お金。
日本からファンディングを貰いたいので、海外の社員はあまり不平を言わない。
上記1)と2)によって、問題解決や状況改善等よりもファンディングをとり、生き残る方を中心にしてしまう。
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他にもこのような不気味ないろいろある。
例えば、中国人にとって、日本の企業はあまり魅力的ではないようだ。
1つの理由としては、日本の企業はマネージメントトレイニング(マネージャートレイニングも)をあまり与えていない(一方、Motorola, Nokia等は与えている)。
中国、北京で私の友達は茶道を教えている。日本マーカーの役員(日本人)は彼女にそのメーカーの中国社員に茶道を教えてみてはどうかという提案した。
彼の目的はdiscipline(自己鍛練)を教えること。
一方、中国の社員にしてみれば、マネージメントトレイニングの方がありがたいのである。
まだまだまずい状況が続いているそう。
では、どうしたらよいか?
日本と海外子会社の間では製品、技術、顧客についての話しが行われるが、マネージメントの話が少ない。
海外の社員はほとんどギブアップの状態であるが、
しかし、結局のところ、彼らの取り組みが必要なのだ。
マネージメント作り、カルチャー作り、方針作り等に取り組まなければならない。
海外の社員をアプローチする時、「どうしょう」という考え方よりも、「どこへ行きたい」か「どんなカルチャーを作りたいか」という考え方を持ったほうが良い。
相手と一緒に共通な行き先を決め、共通カルチャーを作る。これは理想だ。
しかし、不明なカルチャー、不明な行き先の状態よりも、あなたは「どこへ行きたい」についてアイディアがあったら、示したほうが良い