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アイデンティティー及び意義

Identity & Meaning

 

 

前回、ストラテジクガイドポストからアイデンティティが生まれるという事を説明した(こちら)。今回、ストラテジクな考え方及びアイデンティティの重要性を示す。

 

会社がどんなものであるか及び会社のmeaning(意義)は利益性(profitability)に大きな影響がある。

 

「利益性のドライバー」の図(こちら)をご覧ください。

色々なサーベイの結果を見れば、会社の利益の推進力となるファクター(利益のドライバー)及び利益源のトレンドが見える:

 

利益の推進力となるファクター(Drivers of Profitability):

1) ストラテジクな面  75%

2) オペレーティングの効率性 15%

3) Luck /幸運 10%

(%は利益性への貢献度)

 

 

例えば、

1) ストラテジクな面   (Strategic Issues)   75%

a) ボジショニング:

例えば、TI = “The DSP company”

b) ストラテジックな行動:

例えば、IBM=Reliability(信頼性) + Robustness(強壮性)

c) 競争的な行動: 

例えば、「A社の戦略に対して、我々はローエンドをやらない」。

 

 

2) オペレーティングの効率性 (Operating efficiencies) 15%

 

例えば、効率性、生産性、コストダウン、数字重視等。

 

 

 

3) 幸運 / Luck 10%

 

例えば、テロによって、指紋センサーが大成功になる。

 

 

残念ながら、多くの日本の企業は「オペレーティングの効率性」という15%のセグメントを中心に活動している。

つまり、日本の企業は75%の「ストラテジクな面」のセグメントにあまりタッチしていない。しかし、この75%のセグメントでの努力は利益を大きく増大させる影響力(leverage)がある。

もったいない!

 

日本の企業及び人は大変努力するが、主に15%のセグメントを中心にしているので、利益への効果(leverage)が小さい。

 

従って、多く日本の企業の利益性が低いのである。

通常、日本は「No profit zone」と特徴付けられている。

 

例えば、ある日本企業は数字を見て、美味しそうな市場に参入する。しかし、すべて日本競合社は同じ数字を見ているので、同じ市場にターゲットする。従って、ボジショニングやストラテジック行動や競争的な行動の差別化がないので、すぐコモディティになって、利益が出てこない。

 

 

一般的に、日本ではよく努力すれば、結果が出てくるという考え方がある。

しゃかし、この考え方は正しくない。

 

大変努力しても、何も出てこないかもしれない。

適切な構造やシステム、スキル、努力のフォーカス、経験等がなければ、努力から何も出てこないかもしれない。

 

 

現代、会社は「製品」や「サービス」を提供する事よりむしろ、meaning(意義)があるアイデンティティを提供する。

 

例えば、IBMは「Reliability(信頼性) + Robustness(強壮性)」を提供している。

 

Sonyもこの事を理解している。

Sonyは「AV機器」を提供しているのではない。

Sonyは「cool (素敵さ)+ pioneering(先駆的さ)」を提供している。

Sonyの付加価値は「cool + pioneering」である。

(Sonyは態度やデザイン等経由でその事を提供している)。

 

一方、日立を見れば;

Hitachi=???

 

Sonyと日立の利益性を比較すれば、meaningがあるアイデンティティの力の差がはっきり見える。

 

 

<クイックチェック>(特にハイレベルマネージャーの皆さん):

あなたの努力はどこにそそがれていますか?

一日の仕事であなたは各セグメントにどのぐらい時間を費やしていますか?

 

ストラテジク面  75% ?

オペレーティング効率性  15% ?

Luck / 幸運  10% ?

 

あなたの努力は利益に大きな効果(leverage)をもたらすか?

 

「日本企業に(マネージメントやストラテジーを)教えないでください。日本企業がそれを知らない事は、我々のcompetitive advantageになっているから。日本の企業を負かす事は簡単ですね。」

                -海外の競合社

 

 

カスタマーフォーカス = 自分フォーカス

 

優れたカスタマーフォーカス/サービスがある会社(例えば、Southwest Airlines, WalMart, Virgin, Charles Schwabb, Nordstrom、Ritz Carltonホテル, ホテルオクラ等)を見ると、

彼らの第一質問は:

「我々の顧客は誰?」ではない。

「我々の顧客の要求は何?」ではない。

 

いつも、優れたカスタマーフォーカスがある会社の第一質問は:

「我々は誰?」や「我々の意義は?」や

「我々の価値は?」や「我々はどうやって価値を創成しているか」。。。

のようなものである。

 

そうしないと、あなたの企業の価値(value proposition)が不明になる。

 

例えば、

あなたの会社 =“The System Design Company”?

“The Complex Design Company”?

“The Customization Company”?

。。。。。。

 

そして、

彼らの第二質問が:

「我々の顧客は誰?」

「我々の顧客の具体的な要求は何?」

のようなものかもしれない。

 

 

人間の歴史を見れば、passion(情熱)がなければ、bestになれないし、greatなものも創造できない。

 

Passion(情熱)―>

―>Performance(性能)―>

―>トップ、優れた、第一、Beauty(例えば、ロダン彫刻)、best、Great、Masterpiece (例えば、モネの絵)、1st tier 等。

 

Passionによって、1st tierベンダーになれる可能性がある。

しかし、単なるCustomer-drivenやCompetitor-drivenだったら、2nd, 3rd tierベンダーになる。

(つまり、単にカスタマーをフォローすれば、ほとんどの付加価値はカスタマーに依存したものとなる)。

 

現代、あなたの企業がアイデンティティがない、あるいは確固たる立場をとらないならば、カスタマーはあなたの企業を尊敬しない。 

 

アイデンティティ不明のもう1つ問題は潜在的社員を引きつけない。

例えば、talentがある人が日本企業にあまり入りたくない1つ理由は日本日本企業が何をやっているのかを誰もあまり知らないかもしれないし、会社のmeaning(意義)も不明であるからだ。

 

従って、マネージメントの1つ役割は:

- 社員にmeaning(意義)を与える事。

- カスタマーにmeaning(意義)を与える事。

我々がストラテジク面をよく考えていけば、それは利益に結びつく事だけじゃなくて、我々の運命(destiny)をある程度までコントロールする事もできるようになる。

そうしなければ、逆に誰かが我々の運命をコントロールする。

 

"A good product is not enough; consumers today are also looking for soul - and soul is one thing you cannot invent. It has to be authentic."

       --Laurie Coots, Chief marketing officer; TBWA/Chiat/Day

 

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