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トップの孤立

 

 

トップ向けの情報システムや計画システムには拷問の歴史があった。

40年代のoperations researchから、planning、strategic planning、一般的にManagement Information Systems(MIS)というものまで。

 

その歴史の中、MISの一番恐ろしい例はベトナム戦争である。

 

60年代の米国防長官はRobert McNamaraだった。

McNamaraと彼の「Whiz Kids」というチーム(計画、operations research、数学、統計の専門家達)はFord自動車からやって来た。

 

米のベトナム戦争中、McNamaraの数字的な中心情報システムや計画システムが中心勢力となって、すごいロジスティックスもあった。

国防省や大統領への素晴らしいManagement Information Systems (MIS)と思われた。

 

しかし、それらの素晴らしいシステムはソフトデータをあまり取り上げなかった。

 

例えば、相手の意志やコミットメントは数字では見えない。

亡くなった人の顔も見えなかった。

 

ソフト的な状況やトレンドについても、McNamaraはいつも「数字は?」、「%は?」と要求した。

簡単に定量化できないものが徐々に切り捨てられていった。

 

段々トップ(ワシントン)がリアリティーから切り離されてしまった。

 

ボールを見るよりむしろ、スコアボードを見ることでテニスをしているようだ。

 

しかし、「コート」で何百万人が亡くなった。

 

情報システムによって、トップはリアリティーから切り離され、孤立になる恐れがある。

現場の「腐敗の進む遺体」の「におい」を嗅ぐことが大事である。

 

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「私の仕事は大きなこと及び小さなことです。中間なことは委任することが出来ます」。

            -松下幸之助

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日本企業も同じ問題を繰り返さないのように、

最近60年間のMISのようなものの歴史や失敗を勉強したほうが良いと思う。

 

特に、ある組織に戦略的な考え方が欠けていると、通常にすぐ数字、計画に集中してしまう。

 

 

トップの現場への参加や理解が大事である。

社内と社外。業界内と業界外。

特に社外への参加や理解が大事である(業界の内部と外部)。

少なくても、市場変化、顧客・消費者変化、競争変変化の「におい」を嗅がなければならない(数字じゃなく、「におい」)。

 

例えば、海外でのパネルディスカッションへの参加等。

色々な場で、ビジネスの話だけでなく、マネージメントの話も含める。

半導体の場合、業界の内部の変化について、Xilinx, LSI Logic等のトップと話すこともできる。

電気製品業界なので、社会への参加も大事である。

・・・

 

 

上記のような恐ろしい例によって、すべてを定量化やすべてコントロールすることはできないと理解したため、70年代から、トップレベルのガイドはストラテジック・ガイドポストやストラテジック・アラインメント(ミッション、価値観、ビジョン、カルチャー、コンピテンス等)へのシフトが始まった。

 

 

 

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