豆腐と成果主義
最近、日本では「成果主義」という言葉がよく使われている。
しかし、使用に際しては、理解や注意が必要な点がいくつかあると思う。
まず、成果はあるアウトプット、パフォーマンス、結果であるので、その前に「何のため」、「どうして」ある成果に狙っているかをはっきり理解させなければならない。
GEは成果中心の会社である。しかし、GEは成果よりも「価値観」を大事にする。
ある社員は素晴らしい成果を出しても、GE価値観を持っていなければ、進まない。
そして、組織の存在意義によって、「成果」や「パフォーマンス」というものは多様である。何でもである。
何円、何個、顧客満足のようなことから振る舞い、考え方、やり方のようなことまで。
組織ではその「成果」や「パフォーマンス」は人材から出てくる。
人材は付加価値の源泉なので、人材は組織の非常にストラテジックなものである。
そのことから、リーディング企業によっては、「社員は第一」と信じているところもある。
あるサーベイによれば:
売り上げの10%を資産改善に投資すれば、会社の生産性が3.9%に上がった。
売り上げの10%を人材開発に投資すれば、会社の生産性が8.5%に上がった。
しかし、多くの組織は人材のパフォーマンスを解放していない。
例えば、鈴木君という社員がいて、「スズキ・クン136」という機器があるとする。
「スズキ・クン136」の場合、24時間モニタリング、500ページ取り扱い説明書、生産性クロス・ファンクショナル・チーム(CFT)、メンテナンスチーム、コスト・ダウンCFT等があるだろう。
パフォーマンスを最大にすることに対して、「スズキ・クン136」に比べて、鈴木君が寂しそう。
それは人材リソースの不適当な使用である。それは不始末マネジメント・管理(mismanagement)ということである。
マネージメントとは、組織、人間から積極的にパフォーマンスを解放すること。
マネージメントがないと、成果主義は意味がない。
いくつかの会社は社員満足調査のようなことを実施していないが、これは信じられないことだ。
そのようなことが非常にストラテジックなものである。経営幹部のトッププライオリティーの一つであるとも言える。
また、出退勤タイムカードのようなものはknowledge worker(知識労働者)時代に全然合わない。
knowledge workerの脳が毎日24時間に動いているが、午前3時に出てきたアイディアは誰の知的財産(IP)だろうか。
16年前、オーストラリアで皆は私に「マークさん、マークさん、日本のメーカーに入らない方がいいですよ。あなたの頭は豆腐になちゃうから」と言った。
豆腐、ロボット、レミング・・・。このようなイメージを海外では持たれている(つまり、フォロウアー社会+ビッグ・カンパニー・病)。
添付資料をご覧下さい(こちら)。
社員のパフォーマンスの要因の例が間単に示している(ページ1-3)。
パフォーマンス、成果、利益を引き出すため、社員の仕事は:
-社員の脳の構造に似合うことが必要。
-社員のパッションとの一貫性が必要。
-社員の興味との一貫性が必要。
等
つまり、社員の脳の構造、パッション、興味等を理解していなければ、成果が出てこない。ビジネスもできない。
例えば、会社は社員の脳の構造、スキル、パッション、付加価値、コンピテンス、知識、観点を使わなくて、
会社からモチベイション、ガイダンス、方針、知識、知恵、組織存在意義、ビジョン、ストラテジーを貰わない。
従って、その社員の頭は豆腐になちゃう。
私の脳が60%豆腐になったかな。(笑)
各人のモチベイションが違う。
例えば、Aさんのモチベイションは楽しみ環境で好きなチームメンバーと一緒に好きな製品を提供すること(この場合、適切なチームメンバーや柔軟なスケジュール等が重要)。
Bさんのモチベイションは会社のニュースレターでの認められること、表彰、ボーナス。
Cさんのモチベイションは提供している製品が人々の人生を助け、人々のコミュニケーションを強化することと信じていること(この場合、Cさんの価値観や気にすることとの繋ぎが重要)。
私の場合、私のモチベイションはお金ではないので、ボーナスと給料に全然気にしてはいない。
私にとって、オーストラリアでベッドから起きて、日本向けの便を乗ること、と
起きて、中央線に乗ることは同じパッションである。
パッションをフォローしている人は報酬に関係なく、やる。
実際、ある人のパッションがある仕事に対して、報酬を与えると、その人のパフォーマンスとモチベイションが下がる。
成果主義には職場での人材コーチングが重要であり、心理学者の役割も必要である。
社員のチベイション、社員の成長、社員の脳を理解しなければならない。
社員はどうして今朝起きて、会社に来たか?
そんなに心配ないで下さい。
目の前に解明が存在している。
目の前の人の頭に解明が入っている。
どんどん開いてみて下さい。
結局、日本のメーカーのDNAは「テクノロジー」ではない。
彼らのDNAは「テクノロジーを創造している社員」のようなものである。