戦略的なリスク 対 運営リスク
運営的なリスクは運営におけるそれぞれのリスク:
欠陥、コスト、納期、価格、商談、景気、等
戦略的なリスクは
市場選択、提供価値選択、製品選択、顧客選択、販売チャネル選択、企業カルチャー、企業価値観等に関するリスクである。
世界中の経営幹部は運営リスクによく注目している。
リスクマネージメントの分野においても、最近までほとんど運営リスク中心だった。
しかし、実際に多くの場合、戦略的なリスクは運営的なリスクよりも大きい。
つまり、市場、提供価値、製品等の選択は非常に大きな影響を及ぼす。
参考図1にご覧下さい(こちら)
「ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン」がよく言われているが、
「ローリスク・ハイリターン」の方法もある。
それは戦略的なリスクを減少させるということ。
強み、コンピテンス、価値観、ミッション、カルチャー、又は戦略的な一貫性/アラインメントに注目している企業は「ローリスク・ハイリターン」を実現している。
例えば、
TIは将来の市場を予測することができない。しかし、信号処理のコンピテンスを使うことにより、ある成果が得られるかもしれない。
一方、TIはマイコンにも注目したならば、戦略的なリスクは高くなるだろう。
3Mは将来の市場を予測することができない。しかし、インターフェイス化学のコンピテンスを使ったら、ある成果が得られるかもしれない。
その意味で、幾つかの企業がリスクを減少させるため、業務の多様化(Diversification)を行うことは間違いかもしれない。逆に、それはリスクを高めることかもしれない。
あるビジネスプランや計画に売上、利益の予測が入っている。
参考図2にご覧下さい(こちら)。
しかし、その将来は全く出てこないかもしれない。
その計画は単なるファンタジーにすぎないかもしれない。
従って、予測に基づく決定はリスクが高いため、70年代から、プランニング(計画)中心というやり方が衰退、戦略的ガイドに基づく決定へとシフトしてきた。
市場、製品等を選択する時:
1)戦略的な一貫性で選択する。
2)そして、利益性、市場規模等で選択する。
つまり、
「利益 = 売上 ― コスト」という考え方ではなく(売上やコスト中心になってしまう)、
「利益 = 市場価値」考え方と移行(戦略的な面に戻る)。