戦略的なずれ
Analog Devices社例
Strategic Misalignment
Analog Devices Inc. Example
半導体会社、Analog Devices Inc社 (ADI)は1989年にバランス・スコアカード(BSC)の戦略実行ツールの早版を導入した。
バランス・スコアカードの戦略マップにそれぞれの面(顧客、社内プロセス、人材等)から、競争力の源泉や、付加価値の源泉を追求する。
そのような戦略的な成功要因を掘り出せば、改善するために適切な指標を付ける。
つまり、指標や成功要因を改善すると、
競争力や強みがさらに強くなる。
Analog Devices Inc社は思った重要成功要因を出して、指標を作って、指標を徹底的に注目した。
PDCAサイクルも導入した。
少しずつ、すごい結果が出てきた:
欠陥は500PPMから50PPMへ。
平均歩留まりは26%から51%へ。
サイクル時間は15週間から8週間へ。
納期を守る率は70%から96%へ。
しかし、その面が良くなったと同時に、Analog Devices社の全体の業績がさらに悪くなった。
3年間、全体の業績が落ちた!
どうしてでしょうか?
結局、問題は戦略的なずれだった。
実際、Analog Devices社の本当の提供価値(バリュー・プロポジション)は「製品の優位性」(差別化戦略)でした。つまり、特化した技術、技術的な差別、高性能等。
しかし、Analog Devices社の戦略マップやスコアカードを見ていったら、成功要因・指標のほとんどは品質的な(業務卓越性戦略)中心があった。
つまり、生産性、コスト、納期、品質等の中心でした。
ADIの戦略マップをご覧下さい(こちら)。
つまり、それらの指標(生産性、コスト等)が向上したかもしれないが、
本当の(戦略的な)重要な成功要因が進まなくて、
一方、怠ることによって、悪くなった。
結局、Analog Devices社は実際の提供価値と一貫性がある成功要因や指標を掘り出して、業績が良くなった。
従って、付加価値の源泉は優れた技術なので、コストのような
指標よりも、技術の優位性や性能に関する指標への注目になった。
例えば、ADIのR&Dの投資回収を最大するに関係指標:
「5年間営業利益/研究開発費」 (全製品又は製品ライン毎)。
結局、この例のように、指標や活動は実際の付加価値の源泉と一貫性(alignment)がなければ、
会社の付加価値源泉や、競争力の源泉を殺す可能性もある。
それは戦略マップの使い方の恐れである。
一方、それは戦略マップのパワーである。
(同様に、幾つかの優れたTotal Quality Management(TQM)を持っている企業や、アメリカのMB賞を貰った企業も倒産した)。
添付資料の2ページに示しているように、幾つかの企業は似ている間違いをしている(こちら)。
従って、重要成功要因、指標を出すため、
まず、戦略(戦略的な分析、何のため、戦略的な決定・・・)、差別化、コア・コンピテンス、付加価値の源泉をはっきりすることが必要。
ところで、何が「戦略的」か?
例:
低コストは「戦略的」か?
低コストは普通のビジネス条件、競争条件だったら、
それは戦略的ではない。
一方、SouthWest航空の場合、
SouthWest航空の企業理念はバス、電車と競争して、
より広い人々に空の旅を開くこと。
従って、SouthWest航空にとって、「低コスト」は戦略的である。