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方針、ミッションをブレイクダウンすると

= モチベイションブレイクダウン

 

企業のミッション、方針、戦略、ビジョンのようなものを更にブレイクダウンするのは必要なことではあるが、企業によって、はブレイクダウンに注目しすぎるところもある。

 

特に、エンジニアリング的、あるいは、管理的組織はその傾向があるかもしれない。

しかし、経営はエンジニアリングプロジェクトではない。

 

 

企業ミッション、方針、戦略、ビジョンのようなものには2つ役割がある:

1)ミッション、方針、戦略、ビジョンの自体。

2)ミッション、方針、戦略、ビジョンのモチベイション力。

 

実際、ミッション、方針、戦略、ビジョンの自体よりも、

ミッション、方針、戦略、ビジョンのモチベイション力の方がより大事である。

 

ミッション、方針、戦略、ビジョンのパワーは(2)に入っている。

 

それらは社員にモチベイション、方向性、仕事の意義、推進力、既望(hope)を与えるものであるため。

 

従って、

社員に生のミッション、方針、戦略、ビジョンを示さなければならない。

 

社員に生のミッション、方針、戦略、ビジョンを示さなければ、

ミッション、方針、戦略、ビジョンの意味がなくなる。

それらのパワーが失われてしまう。

 

 

ブレイクダウンしたミッションはミッションというものではない。

ブレイクダウンした方針は方針というものではない。

ブレイクダウンした戦略は戦略というものではない。

ブレイクダウンしたビジョンはビジョンというものではない。

 

 

例えば、米国のケネディ大統領が

「1960年代の終わりまでに、人間を月面に着陸させる」を宣言したが、

この代わりに

「我々は34,000 kN推力を持っているロケットエンジンを開発する」(ブレイクダウンした第一ステップ)を宣言したとしたら、誰もわくわくしないでしょう。

 

 

つまり、社員はブレイクダウンした役割をきっちり理解しても、全体の方針、ミッション、戦略等を理解していなければ、モチベイションが高くならず、方針や成果は出てこない。

 

 

同様に、リーダーシップは特にリーダーのことを意味しているのではない。

リーダーシップはリーダーの相手(社員)のことである。

つまり、アイデンティティについて、社員の自信が高まり、意義や、方向性にも自信が高まることによって、社員の成果が高くなる。

 

 

特に組織改善の場合、そのことが大事である。

通常、組織改善の失敗の大きな原因の2つは:

1)社員取り込みの大切さについての理解不足。

つまり、社員は方針作りや、改善プロセスに参加しなくて、理由を理解していなかれば、社員は納得しない。結果的に、成果は出てこない。結局、組織改善においては変更するものは組織ではなく、人間である。

 

2)社員の感情面に訴えていない。

組織改善のためには、社員の論理面と感情面に訴えることが必要。つまり、社員にとって、意義を作らなければならない。

 

 

結局、広い視点と狭い(ブレイクダウンした)視点の両方を社員に説明しなければならない。

 

 

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「CEOのパワーは社員にモチベイションを与えるパワーだけです。

その以外はnonsenseです」

               - Carlos Ghosn, CEO, Nissan

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