気づき:社外へ出よう
マーケット調査でもよく見かけることの一つは、社外業界議論と社内議論と比べて、全く業界が異なるようだ。
全然違う業界みたい。
なぜ、そのような大きな知識的・認識的ギャップが生じたのだろう?
特に日本の企業が孤立しているようだ。
目の前の製品、目の前のカスタマーを見ているようだが、それ以外への気づきは常に低くようだ。
例えば、プロジェクトや交渉の最中で問題が急に生じると、皆が驚くというケースが多い。
しかし、最初に気づき・知識・理解があれば、それらは事前に対応できる。
(そうしなければ、未然防止ができない)。
1つ面は欠如している戦略的な考え方であるが、ここではもう1つ面を見る。
気づきを高めるための一方法としては、それぞれの社外コミュニティーへの参加してみることである。
日本の半導体大手のLSI設計能力は、海外より2年遅れていると常々言われている。
理由の一つは、LSI設計の最先端コミュニティーにあまり参加していないからだ。
最先端コミュニティーが米シリコンバレーであるなら、シリコンバレーのコミュニティーに参加しなければならない。
南極であれば、南極へ。
しかし、現代、インタネットでコミュニティーに参加できるので、少し楽になった。
(しかし、さらに英語、韓国語、中国語等が必要)。
自分の仕事に関してのぞれぞれのコミュニティーが存在している。
例えば、顧客満足の理解業界やカスタマー・ロイヤルティー業界とコミュニティー、マーケティング業界、在庫管理業界、マネージャー業界、マネージメント業界、リスクマネージメント業界
等等
世界のどこかで、誰かがおそらく似たような問題を解決したことがあるであろうから、それら世界の知識・知恵を使ったほうが良い。
しかし、多くの場合、日本の企業はゼロから「頑張る」。
他の会社がある問題を乗り越えたとしても、日本の企業はそれを学ばず、何年、何十年後に、同じ問題で落ち込むケースが多い。
もったいない。
世界で行われた経験と知識と知恵を使おう。
特に、ある程度まで「有効である」ことはオープンな場で聞くことできるかもしれないが、「有効でない」ことをあまり聞こえてこない。
つまり、コミュニティーに参加しないと、「有効でない」ことが耳に入ってこないため、同じ問題に落ち込む可能性がある。
添付した図のように(こちら)、知識・認識的ギャップがあるため、海外からの流行しているビジネスコンセプトにも注意が必要である。
日本ではそれぞれのコミュニティー活動は少し増えている(マーケティングから、スピン・オフ会まで)が、まだちょっと狭い範囲に過ぎない。
その意味で、日本の企業にいることや日本にいることは、マイナス価値であるとよく言われる。
例えば、「マネージメントはいらない・・」、「ストラテジーはいらない・・」と唱えているような環境に漬かっているとと、
自分のビジネススキルが段々レイジーになってくる(本当に怖い)。
マネージメントコミュニティーやマーケティングコミュニティー等が足りないので、私の日本人の友達はどんどん海外に引っ越している。
このようなことに対して、私は「アマチュア」という言葉をよく使っている。
一方、「プロフェッショナル」という言葉があるが、私はあまり好きじゃない(学位、資格のイメージがあるので)。
「プロフェッショナル」と呼ばれるより、現場で自分の分野(マーケティング、マネージメント等)に繋いで、分野の最新なことを理解し、現場でその分野を開発・推進することが必要と思う。
その現場には社外コミュニティーも含まれている。
実際、「知識・認識ギャップ」という点から、日本で一番怖いのは多分医学の認識(特にガン関係)についてである。
第二はおそらく原子力であろう。(今年、海外の原子力安全検査官が来日し、「怖い」と言っていた)。
結局、長期的に同じ組織に働くことに加えて、社外コミュニティーに参加すれば、かなり力になると思う。
どんどん世界中のコミュニティーに積極的に参加しましょう。